ウェルスナビ開発者ブログ

WealthNaviの開発に関する記事を書いてます。

開発組織をエンゲージメントするHRBPとしての取り組み

はじめに

みなさん、こんにちは!
ウェルスナビ株式会社で開発組織のHRBPを務めているshoheiです。
 
開発者ブログなのでエンジニアを中心に記事を寄稿しておりますが、本記事では私がHRBPとして入社してから現在までの取り組みを振り返っていきたいと思います。
(HRBPが何者なのかという部分は後ほど。)
 
私は2023年5月に開発組織のHRBPとして入社していますが、当時既にHRBPという職種が社内に存在していたわけではありません。
ウェルスナビのHRBP第一号として入社以来、新規立ち上げに取り組んできました。  
今後HRBPとして活躍を目指していかれたい方々、HRBP機能を組織に取り入れることを検討されていらっしゃる方々の参考になれば幸いです。
 
※開発者ブログですが、専門的な技術関連の内容は一切出てきません。予めご理解ください。
 

HRBPとは

冒頭「はじめに」だけでも何度もHRBPという言葉を使ってしまいましたが、みなさんはHRBPという言葉をお聞きになったことはございますでしょうか?
初耳という方や、聞いたことはあるけどよくわからないという方々に向けて簡単に解説させてください。
 
HRBPという言葉は、Human Resource Business Partnerという英語の頭文字をとったもので、一般的には、人事領域において経営者や事業責任者にとってのビジネスパートナーという解釈がなされ、人と組織の側面から事業成長をサポートする役割を担っています。
組織課題に向き合い、改善に向けて前進させつづけることから「攻めの人事」と言われることもあります。
 
「一般的な「人事部」と何が違うんだ?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、
本記事の主旨とズレそうなので、お手数ですが詳細は「HRBP 人事部 違い」という感じでインターネット検索してみていただければと思います。
 
 

ウェルスナビにおけるHRBP & 2023年の取り組み

前段でHRBPの一般的解釈をまとめさせていただきましたが、具体的な業務内容や立ち位置については各社によって様々だと思います。  
実際、他社で “HRBP” を名乗って働いている友人が私のまわりにも複数おりますが、携わっている業務内容が皆同じということはなく、各社の「色」が如実に現れていると実感しています。
ここでは、当社(というか私)の実例をご紹介させていただきます。
 

ウェルスナビにHRBPを設置した背景

そもそも、なぜHRBPという機能を新設しようとしたのか?
それは、アドベントカレンダー1日目に登場したVPoE 和賀の思いによるものです。
和賀の記事内容に繋がっていく部分もありますが、当社では「ものづくりする金融機関」というVisionを掲げており、テクノロジーを用いて従来の業界をアップデートし、新たな価値を世の中に提供していきたいと考えています。

現在、当社の従業員の約53%*1 がエンジニアやデザイナーなど、サービス開発を進めるフロントに従事する開発組織に所属していますが、サービス開発を主軸とした事業成長戦略において開発組織の拡大・強化を戦略的かつ継続的に進める必要があると考えています。その実現に向けて、HRBPという機能を軸に開発組織主体で積極的に推進していきたい、そのようなVPoE 和賀の思い・考えに代表はじめ経営メンバーも賛同し、HRBPの新設が決まりました。
 

入社してから今まで

入社から半年強経った今、自らの役割・取り組むべきことがある程度明確になってきたと思います(思いたい)。
 
しかし、入社当時は何から取り組むべきか、何が求められているのか、本当に手探りの状態でした。あまり悩まないタイプなのですが、実は人知れず悩むことも。。
 
開発組織にとってチームも職種も全く新参者の私は、何をするにも開発組織に入り込んで認知してもらう必要があると思い、どんな仕事よりも優先的に取り組もうと決めました。
※結果として、一番重要なことでした。
 

HRBPという存在の認知獲得

「そもそもHRBPって何する人?」「エンジニアリングエンゲージメント(私の所属チーム)の期待値・ミッションって何?」「HRは聞いたことあるけどBPって何?」って思っていた開発メンバーも多かったはずです。
 
何から取り組むべきかいろいろ考えました。
けど、私は考えるよりも行動する派なので、いくら考えても明確な解が出るはずがなく、行動しながら考えればいいやというところに落ち着きました。
 
「どうやったら自分のことを認識してもらえるか?」という問いに、「コミュニケーションしかない」という解を出した私は、まずは役職関係なく開発メンバー全員に1on1をお願いしました。
1on1の他、ありがたいことにご飯(飲み)に誘っていただける機会も多く、業務外でもコミュニケーションをとらせてもらうことができたのも認知獲得に繋がったかなと思います。
 
開発メンバーといろいろ話す中で自分に求められている役割・期待値がある程度明確になりました。
そして今取り組んでいるテーマである、「技術広報」「組織人事」「採用人事(採用戦略設計)」の3つにフォーカスすることにしました。
 

技術広報

当社にはAMO(Accerelate Manufacuring Organiazation)と呼ばれている、エンジニアが有志で取り組んでいる技術広報活動を推進するコミュニティが存在しており、 開発者ブログの運営や開発者向けイベントの企画・運営などを通じた技術広報活動を行っています。
 
AMOの運営・活動のプロジェクトマネジメントをHRBPのミッションのひとつとして拝命し、AMOのメンバーとともに技術広報活動を推進しています。
とはいえ、このアドベントカレンダー企画やWealthNavi開発(技術や組織)に関する情報が集約されたポータルサイト制作*2他、私が「こういうのやってみたい」という雑なアイディア(笑)の実現に向けて一緒に考えてくれたり、議論してくれたり、取り組んでくれたり、AMOのメンバーがいないと技術広報活動は前に進まないことばかりです。
(この場を借りて言わせてください。本当にいつもありがとうございます!!)
 
そして、忙しい中でもAMOの活動に協力してくれる当社メンバーにも本当に感謝しています。
いつもありがとうございます!!
  

社外の方向けに実施したイベントバナー

   

組織人事

  1. 責任者以上との月次1on1
    開発組織のエンゲージメント向上をHRBPとして担っており、その一環でCTOや役員含む責任者(当社でいうマネージャー)以上と月次1on1を行わせてもらっています。
    分掌組織の状況や組織における課題感をヒアリングさせてもらうだけでなく、私からもHRBPとして取り組んでいることの共有やAMOの活動への協力をお願いしています。
    たまに雑談だけになったり、プライベートな話がメインになったりすることもありますが、それはそれで大事なコミュニケーションの場だと思っています(笑)。
     
  2. 人事企画チーム責任者との月次1on1
    開発組織の状況や課題感を共有しながら、改善に向けた壁打ちをさせてもらっています。
    開発組織が主導して改善に取り組むべき部分はVPoEや私が主導し、全社的に取り組んだほうがいい課題は人事組織の人事企画チームがオーナー持って改善に向けて取り組んでいます。
    お互いがどのようなことに取り組んでいるのかを情報連携し、伝えられる内容は適宜開発側にもフィードバックしています。
     
  3. 開発所属メンバーとの定期面談
    当社では全社的に年2回モチベーションサーベイを行っていますが、スコアだけでは見えにくいメンバー個々人の状況を把握させてもらうために定期的に面談させていただいています。
    所属社員全員と面談させてもらっているので時間的な工数は正直かかりますが、組織の実態が見えてくるので定期的に実施する意義はあると思います。
    2024年からは入社後フォローアップ面談も導入し、入社から一定期間経った段階でのモチベーションも確認していきたいと考えています。
     

採用人事(採用戦略設計)

当社の採用活動は全社の採用チームが主導してくれていますが、エンジニア採用は会社全体でも重要度が高いプロジェクトになっているので、エンジニア採用を一定経験してきた私もアドバイザー・相談役としてエンジニア採用に関わらせてもらっています。
 
また、VPoEからの命を受け、構造化面接の導入にも取り組みました。
評価項目・評価基準の策定、質問項目の設計、評価入力フォームの設計などがメインでしたが、当社の場合、開発組織内に複数の職種・役割が存在しているので、職種ごとにカスタマイズしたり、今思うと見積もり以上の一大プロジェクトでした。
 

HRBP採用のカジュアル面談でお伝えしている業務内容

   

2024年に向けて(本記事のまとめ)

上記にいろいろ取り組んでいることを書かせてもらいましたが、全て網羅的に深く取り組めているかと問われるとそうではないというのが本音です。
 
2023年はHRBPの認知獲得を主軸に、がむしゃらに様々なことに取り組んできました。
その取り組みがどれだけ奏功したのかわかりませんが、当社で行われているMVP表彰制度(Value Champion)において、ありがたいことに新人賞を受賞させていただきました。
(投票いただいた方には感謝しかありません。)

受賞トロフィー

HRBPとしての取り組みは短期で目に見える実績に繋がるというよりも、中長期的かつ継続的に取り組むことで徐々に成果が現れるものだと思います。
そのため、2024年は開発組織の広報・組織・採用の各領域での課題に深く取り組むべく、HRBPを増員させて各々の専門性を発揮できる環境を整備していきたいと考えています。
 
開発組織のHRBPというキャリアに興味のある方、一緒に開発組織のエンゲージメントに取り組んでくれる方がいらっしゃいましたら、カジュアル面談なども積極的に行っているのでご連絡いただけると嬉しいです。
HRBP同士の交流も是非!  

明日は、品質向上 木下 の「日々の業務の確実な遂行を確認するサイクルテストとは」です!
お楽しみに!


 
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https://hrmos.co/pages/wealthnavi/jobs?category=1243739934161813504
 
 

著者プロフィール

佐藤 祥平 (Shohei Sato)
Engineering Engagement所属 HRBP
 
複数の事業会社でエンジニア採用マネージャーやHRBPとして勤務した後、2023年5月に入社。
ウェルスナビでは開発組織のHRBPとして技術広報 (#WealthNaviTech)・組織人事・採用人事の側面から開発組織の拡大・強化に従事。

*1:2023年9月時点のデータ

*2:近日公開予定