ウェルスナビ開発者ブログ

WealthNaviの開発に関する記事を書いてます。

ウェルスナビのサービスを支える外部サービスについて【概要編】

はじめに

ウェルスナビの開発推進チームにおります隅田と申します。

開発推進チームは、複数の開発チームが効率よく協働出来るようなルール作りや、開発プロジェクトのPMO的な役割を持つチームですが、ウェルスナビのサービスを支えてくれている外部サービスの方々との連絡窓口としての役割も持っています。

金融システムは、様々なシステムと接続して成り立つのが一般的です。例えば、銀行のシステムですと、全銀システムと接続していたり、証券会社のシステムですと、取引所のシステムと接続しているのは想像しやすい部分かと思いますが、実はこれだけではなく、もっと多くの様々なシステムと接続してサービスを成り立たせております。

当社は一般的な銀行や証券会社に比べると、接続数は多いとはいえませんが、それでもそれなりに多くのシステムと接続しています。世の中にはあまりそういった情報が出回っていないと思いますので、折角なので本日はその内容を紹介したいと思います。 ※ 具体的な外部サービスを提供している会社名については、控えさせていただきます。何卒ご了承ください。

ウェルスナビのサービスとは

まずご存じない方のために、当社のサービスを簡単にご紹介したいと思います。 当社のウェブサイトの記載を基に解説していきます。

https://www.wealthnavi.com/about

詳細は上記のウェブサイトをご覧いただきたいのですが、この絵に記載の通り、お客様からお預かりしたお金を基に自動的に金融商品を購入し、資産運用を行うサービスです。

この絵を見ますと、なんとなくこんな機能があるかなぁと予測できると思います。

  • 入金/出金/積立の機能
  • ETFの売買を行う機能
  • 現状の残高を確認する機能

他にも、資産運用サービスを提供する会社ですので、「本人確認等を行い、口座開設を行う機能」や、「法的に必要な書類を交付する機能」も必要そうですね。

また、重要な機能として、金融商品は日々評価額が変化しますので、その変化を日々正確に記録したり、お客様が納税で用いる帳票や法律で定められた帳票を作成する必要もあります(こんな機能を持つシステムを「勘定系」と呼びます)。

もちろんこれだけではなく、手数料の計算や、最適なポートフォリオを計算する機能などサービスの根幹となる機能や、ログイン後のセッション管理などのウェブサービス的な機能ももちろんあるのですが、他サービスとの連携という観点ではこの辺で十分ですので割愛させていただきます。

全体像

今の話をざっと絵にまとめてみると、以下の通りです。

上段がお客様とのやり取りに関する部分で、下段がウェルスナビのサービス内部で取り扱っている部分になります。

さて、このうちどこで外部サービスを利用しているでしょうか?と言いたいところですが、もったいぶっても仕方ないので言いますとこれら全部で利用しています。

大事なことなんでもう一度言いますが

  • 勘定系
  • 口座開設(eKYC)
  • 発注
  • 入金
  • 出金

これら全てで利用しています。

それぞれどんな感じか

一つ一つ簡単に紹介していきます。

  • 勘定系  これは、金融商品を保持する口座の管理が主な役割ですので、実はほぼほぼ全ての金融商品取扱業者で同じような機能が必要になってきます。世の中に需要があるところには供給もあるもので、こういったサービスをSaaSのような形態で提供している会社が存在しております。そんな中自前でこういったシステムを開発するのは車輪の再発明になりますので、当社ではそういった会社のサービスを利用する選択をしています。  当社の入出金や発注の結果を毎日勘定系システムに連携しており、正確な残高や税金の計算や、帳票の作成といったサービスを提供いただいております。

  • 口座開設(eKYC)  証券口座の口座開設時には法律等で定められた本人確認を行う必要があるのですが、法律的にも電子的な方法で本人確認を行うことが許可されています。これについても、どんな会社でも法律等で定められた手順で確認を行う必要がありますので、サービスを提供している会社がいくつか存在しております。  具体的には、ウェルスナビのスマホアプリの中で口座開設を進めると、実はいつの間にかある会社が作成したインタフェースに切り替わっているところがあり、そこからその会社のシステムへ情報を連携し、法律等にのっとった本人確認の判定を実施いただいています。

  • 発注  当社は、NYSEニューヨーク証券取引所)で売買できる金融商品を取り扱っています。直接NYSEで取引が出来ないため、ある会社に間に入ってもらって取引を行っています。  その会社のシステムに当社のサーバーを接続させ、発注を行っております。

  • 入金  当社への入金の仕方は複数あるのですが、全て銀行のサービスを利用しています。 銀行振込では、お客様一人一人に仮想的な振込先口座番号を付与し、そこに振込を行う形式とすることで、簡単に振り込んだお客様を特定出来る仕組みにしております。 また、インターネットバンキングにて、即時で当社側で入金を確認できるよう、WEBを介した連携の仕組みについても他社のサービスを利用しています。 口座振替を利用した入金の仕組みもありますが、これは全ての銀行システムと当社が直接データ連携を行うのは難しいため、ワンストップで対応いただける会社に間に入っていただいており、当社はその会社とデータのやり取りするだけで、全国に1000以上ある金融機関からの口座振替を可能としております。

  • 出金 お客様のお金をお客様の銀行口座にお返しすることを出金と呼んでおりますが、この時に1件1件振込みを行うのは大変ですので、一括して振込を行ってもらえるサービスを利用しています。具体的には、お客様の振込先口座の情報が記載されているファイルを銀行に送付することで、一括で振込を実施いただいております。

さいごに

以上となります。なんとなくわかっていただければ幸いです。

実はこの記事、当初は上記のそれぞれのカテゴリについて、現在のおよそ3倍程度の分量で、必要な理由や詳細な要件などを事細かに書いていました。 しかしちょっと長すぎてですね、断腸の思いで、簡単な内容にまとめております(なので【概要編】と銘打っております)。 もし、「もっと詳細な内容が知りたい!!」「なんとなくもっと読みたい!!」「隅田の記事を世に出したい!!」という方がいらっしゃいましたら、コメントやらなんやらの何かしらの反響を頂ければと思います。もしそれが一定の数に達したら、私は、「こんなに反響が来ているので、是非出すべきだ!!」と自信をもって記事を世に問うことができるかと思います。正直、折角書いたので、反響が無くても世に出したい気持ちでいっぱいです。何卒ご協力下さい。

また、この記事でロボアドサービスの構築に最低限必要なサービスを明らかにしてしまったことで、読者様の中で、「私でもロボアドサービスのようなシステムを作れるのではないか!?」という方もいらっしゃるのではないかと思います。そう思った方がいらっしゃいましたら、大変喜ばしいことではありますが、それは車輪の再発明になるので、あまりお勧めいたしません。 そんなあなたにもっとお勧めするのは、当社にジョインして、私たちといっしょにロボアドサービスを作っていくことです!!ということで、そんなあなたは、是非採用に応募いただければと思います。

最後まで読んでいただいてありがとうございました!


明日は、インフラエンジニア 伊藤 の「ウェルスナビにおけるAccount Factory for Terraformの導入事例」です!
お楽しみに!


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著者プロフィール

隅田(すみた)

<プロフィール> システム統括グループ 開発推進

前職ではSIerにて銀行の勘定系システムの開発担当として、システム更改対応、保守開発、品質管理等を経験。 金融システムに関する俯瞰的な経験を活かし2018年にウェルスナビへジョイン。当初は事業推進として事業側の経験もしていましたが、現在は開発推進で主に開発に関するルール作りや開発プロジェクトのPMO的な仕事をしております。