ウェルスナビ開発者ブログ

WealthNaviの開発に関する記事を書いてます。

金融レガシーシステムを保守するSIerからフィンテックベンチャーに転職した話

はじめに

みなさん、こんにちは!システム統括グループ 開発推進チーム所属の林です。
私は前職のSIerから転職し、2022年11月にウェルスナビにジョインしました。

今回は、SIerからベンチャーの事業会社へ転職した私自身の経験とともに、ウェルスナビの開発を支えるチームとして、私の所属する開発推進チームがどんな役割なのか・どんなことを行っているのかをお伝えしたいと思います!

今、転職を考えている方の参考にもなったら幸いです。

 

開発を推進するチーム?

まず初めに、私の所属する開発推進チームの業務についてご紹介します。

開発推進チームはどんなチームですか?と言われたら、とりあえず、「開発を推進するチームです!」と答えたいところですが、「開発を推進する」といっても様々な業務があります。

ざっくりお伝えすると、開発推進チームでは、各チームが効率よく協働出来るようなルール作りや、開発プロジェクトのPMO的な役割を持っています。
それ以外にも、ウェルスナビのサービスを支える外部サービスとの窓口としての役割も担っています。(こちらについて、詳しくは12/12の記事をご覧ください!)

ウェルスナビは2015年の創業以来着実にサービスを拡張させてきましたが、それに伴い開発規模も開発組織も拡大し続けており、開発をスムーズに進めるための仕組みやルールづくりは重要になってきています。また、当社サービスはお客様の資産をお預かりする金融システムである以上、守らなければいけない指針等も沢山あります。

業務の中には、一見すると、これって本当に開発を推進するためにやっているの?と思われるようなものもありますが、これらのバランスをとりながら、『ものづくりする金融機関』としてのウェルスナビをサポートする、そんな役割を担っているのが開発推進チームです。

 

開発推進チームのミッション

開発推進チームは、ミッションとして、内製組織の横串としての役割をメインとし、「開発効率とITリスクへの統制のバランス」をテーマとして日々業務に取り組んでいます。
具体的には大きく以下の3つの役割があります。(2023年12月現在)

 ①プロダクト開発推進
  ・IT戦略管理(開発ロードマップ管理)
  ・プロジェクトPM/PMO

 ②ITリスク・統制
  ・ITリスク分析と対応計画/各種監査への対応
  ・ITリスクに対する統制(各種プロセス管理・改善など)

 ITサービスマネジメント
  ・インシデント・障害管理/重大障害発生時のリーダーシップ
  ・外部システム連携先に関するリスク・課題対応

ものづくりにおける攻めの部分と守りの部分、両方のバランスをとりながら、うまい感じにやっていくことが求められそう、というのはなんとなくお分かりいただけるかと思います。

 

実際にウェルスナビにジョインし開発推進チームの業務を行ってみて

私は2022年11月にウェルスナビにジョインし、開発推進チームとして、上記のミッションのうち、②ITリスク・統制と③ITサービスマネジメントに関わる業務を主に担当しています。

 

環境の変化

私の自己紹介を少し詳しくしますと、2017年に前職のSIerに新卒で入社し、証券勘定系システムの開発・保守を行っていました(レガシーシステムの保守を担当しており、もちろん(?)言語はCOBOLでした)。
金融系システムの経験という点で親和性のあるバックグラウンドはあったものの、ベンチャーの事業会社の立場で開発に携わるのはウェルスナビでの経験が初めてとなります。

ですので、入社前は正直不安でいっぱいでした。

前職は所謂比較的大規模なSIerで、所属していた部署単体で約100人ほどの社員がおり、社員は新卒入社から働き続けている人ばかり。

一方でウェルスナビはベンチャーで正社員が約150人ほど(当時)、社員は中途入社メンバーしかいない、など環境が大幅に変わりました。会社のカルチャーについても、面接等で話を聞いていたものの自分に合うだろうか、といった点で不安感がありました。

この点については、実際入社してみると、最初は慣れない部分もありましたが、ウェルスナビのメンバーは落ち着いており親切なメンバーが多く、カルチャー的にも働きやすい環境で、思ったより早く環境に慣れることができました。よかった!

 

前職とのギャップ

実際に開発推進チームの業務を行っていくにあたっては、前職との違いで少し苦労した部分があります。

私の前職では、比較的きっちりとした開発のプロセスやルールが定められていました。一つの物事を決定するにあたっても、レビューや手続きがかなり厳格になっており、しっかりとしたプロセスを踏む代わりに、かなり時間がかかるものとなっていました。
反対にウェルスナビでは、より柔軟でスピード感を持って開発できるようなプロセス及びルールとなっており、それらの違いに入社当初はかなりギャップを感じました。

ですがそれは当たり前で、SIerでの開発と、事業会社の開発部門としての開発とでは、求められるものも違うということです。

前職の当たり前が身についていた私にとっては、そういった考え方や立場の違いについて理解し、ウェルスナビの開発組織のあるべき姿が何なのかをイメージしたうえで、どうやって攻めと守りのバランスを取りながら業務を行っていくのかを考えるのはかなり苦労した点ではあります。

一方で、前職の経験が活きた部分もあります。
例えば監査対応では、ITリスクに関する指摘への対応方針を考えることになります。そのような場面では、前職で金融機関としてのサービスレベルを維持するために必要なリスク対策水準に沿った開発を行ってきた経験を活かして業務に貢献することができていると感じています。

また、転職前後の自分の意識の変化として、前職ではSIerとしてお客様の要求に基づいたシステムを提供することにフォーカスしていましたが、ウェルスナビに入社して当社が提供する価値やミッションに基づいてより主体的に考える思考が身につきました。
それにより、自分がサービスに携わっているという意識をより強く持つことができるようになりました!

 

開発推進チームの業務を行う上で大切にしていること

ウェルスナビのエンジニアは業界(基幹系(金融含む)/WEBサービス/モバイルアプリ等)×業態(事業会社/SIerフリーランス等)において様々なバックグラウンドを持っているメンバーが集まっており、非金融系出身者が約70%です。

また、そういった様々なバックグラウンドを持ったメンバーで構成されているため、それぞれ開発プロセスやITリスクへの認識に違いがあります。
例えば、基幹系システムであれば責任者がリリース判定を行ってからリリースするのは当たり前ですが、モバイルアプリ開発ではテスト担当者がテストを完了したらデプロイするのが普通だったり...

要するに、それぞれのサービスの特性に応じたリスクコントロールが求められるということですが、そういった環境の中で、「どうするウェルスナビ?」を考えるのも開発推進の業務だったりします。

当社のエンジニアたちが、同じ目的に向かい円滑かつ快適に開発を進められるようサポートすることを念頭に、日々業務を行っています。

 

ウェルスナビには様々なバックグラウンドを持ったメンバーが集まっていることは強みである一方、なかなか意見がまとまらなかったりすることも多々あります。

想像いただけるかとは思いますが、開発推進チームのミッションは、色々な方面と調整を行いながら、何が最適かを考えたうえで少しずつそれらを実現していく、非常に地道な作業の積み重ねでもあります。

そういった業務を行う中で我々が意識しているのは、目的をしっかり伝えることです。例えば開発関連のルールを新たに決めるときは、「ただルールだからやる」のではなく、それぞれのエンジニアが「何のためにこのルールがあり、なぜそれをやる必要があるのか」を理解してもらえるよう、実施方法や伝え方を工夫するようにしています。

プロセスやルールを定めるに当たり、今までのウェルスナビの開発組織の姿と、これから目指すべきウェルスナビの開発組織の姿の両方をイメージしながら、現時点における最適解は何なのかを考えそれに向かって進んでいく作業は非常に困難ではありますが、同時にやりがいのある業務であると感じています!

 

さいごに

ということで、今日はSIerからベンチャーの事業会社へ転職した私自身の経験とともに、ウェルスナビの開発を支える組織としての、開発推進チームの業務についてお話させていただきました。

開発推進チームでは一緒に働く仲間を募集中です。興味を持ってくださった方は、ぜひ一緒にウェルスナビで働きましょう!

 

明日は、プロダクトマネージャー 高橋 の「新しいNISAの制度対応におけるUI/UXの取り組み」です!  
お楽しみに!

 

📣 ウェルスナビは一緒に働く仲間を募集しています 📣

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著者プロフィール

林 (はやし)

システム統括グループ 開発推進チーム所属
2017年に新卒で金融系SIerに入社後、2022年11月にウェルスナビにジョイン。
開発に関するルール作りや開発プロジェクトのPMO的な仕事に邁進中。